TENDER WIND

やさしい風が、ふいてきた。

うたびと 染矢敦子 blog
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 初めて、書く。家族とその回りの人しか、知らない、もしかしたらその人達も忘れているかもしれない犬のお話。

 WAN ONE LIVEの染矢敦子が、最初に仲良くなった犬は‘チャム’で、それは、ライブでも良く話すし、文章に書くことも多い。でも実は、その前に家にいた犬がいる。
 
 名前は‘コロ’
 真っ黒い犬。

 どうやって、うちに来たのか覚えていない。私はまだ幼く、コロは外に繋がれていて、殆ど記憶にないのだ。光沢のある短く固そうな毛。いや…固い毛。今こうして書いていると、手のひらにコロの毛の感触がよみがえって来た。背中を撫でる。臭いや体温や私を見つめる目が浮かんで来た。

 良かった。思いきって書いてよかった。

 蜂に刺され、腕に包帯を巻いた妹に飛びかかるコロと妹の悲鳴を覚えている。大きな犬と子供の私。私はコロのことが、少し怖かった。

 コロは、何故か覚えていないけど、近くのガソリンスタンドにもらわれていった。私達が怖がったからだろうか。そうだったら、ごめん、コロ。そうだったら、すごく悲しい…。

 そのガソリンスタンドの奥の犬小屋から出て来るコロの姿を今、思い出した。私を見てる。優しい目をしている。何だか小さい。家にいた頃よりも小さい。コロは可愛がってもらえていたのかな。

 そして、早朝の散歩中、リードが離れ、コロは車にひかれて死んだ。

 私はコロに優しくしていたんだろうか。コロは幸せだったんだろうか。きっと悲しかったね。おうちが変わって、家族が変わって寂しかったね。ごめんね、コロ…。
 いつか虹の橋で出会えたら…コロをいっぱいいっぱい抱きしめたい。 

 *

虹の橋とは、天国の手前にあり、死んだ動物達が行くと言われている場所です。
そこで、動物達は飼い主に再会し、一緒に天国へ行くと言われています。
そのお話もまた今度…。