TENDER WIND

やさしい風が、ふいてきた。

うたびと 染矢敦子 blog
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私の人生かなり波瀾万丈だけど(笑)
昨年はその中でも特に凄かった。
あまりにもひどくて、書けなかったけど、やっぱり表現者として書き留めておけば良かったなと思う。

文章、詩、歌、あとから読むと、また違う感じで
「良いこと書くやん」みたいになって、またちゃんとできてるか振り返れたり
それで、今年は書いてみることにした。



昨年のもろもろをまだ引きずって始まった2011年だったように思う。
そこにピリオドを打ったのは、3月31日。

自分の中で「卒業」って決めた。

何の卒業?!
こうした方がいいだろうとか
この人と関わっていた方がいいだろうとか
行ってた方がいいだろうとか
そう言うことからの卒業。

できないこと、好かれてない人、そこにエネルギーを注ぐのではなく
私だからできること、好きでいてくれる場所、人にエネルギーを注ぐ。
歌を聴いてくれる方、応援してくれる方、お一人お一人を大事にする。
その方々が喜んでくれること、もっと良いものにすること
そこにだけ意識を持っていくことにした。

それから流れが変わったように思う。

出会う人も変わり、ライブの感想も深くなり、自分も変わっていってると言う実感があった。

そこで、前のブログに書いた彼女との別れがあった。

あの後、私はしばらく歌えなかったし、言葉も書けなかった。
打ち合わせなど、外には毎日出ていたけれど、まともな精神状態ではなかったように思う。

彼女のお通夜の日は、夜、若宮商店会の会議の予定だった。
でも、あまりにもひどい顔だったので、お休みさせてもらった。
理由を言うつもりはなかったけど、長年の付き合いの会長はすぐに察知して
話してしまった。

それから、会長はそのことには触れなかったけど
毎日のように連絡をくれ、なんとか呼び出そうとしてくれた。
今、手帳を見たら10日後、やっと私は会長に会いに行っている。
それも「あっちゃんに植物をあずかってて、枯らすから早く渡したい」
というメールに枯らすのはなあ…と渋々出かけていった。

ちゃんと食事も出来てない私に
「とにかく食べり」ってごちそうしてくれて、ふとこんなことを言ってくれた。

「あっちゃん…一方だけを見てない?あっちゃんの歌や言葉を必要としてる人って、他にもいっぱいいるんやない?俺もあっちゃんのブログも歌も楽しみにしとうよ」

目が覚めた瞬間だった。

若宮のみなさんには、今年本当にお世話になったし、今ではファミリーのように可愛がってもらっている。
出会いを辿っていくと「歌はいりませんか」から始まった会長との出会いから、どんどん色んな人たちに繋がっている。
紙に書いてみたら驚くぐらいだった。



そこから、また私のコンサートは変わったように思う。
関わる人、みんなにたくさん笑っていてほしい。
与えられた時間まで、生きててほしい。

とにかく生きてて
つらくてつらくて仕方ない時、思い出してほしい
「すべては良い方に向かっている」

最後の一線を超えそうになったら、最後の最後で良いからコンサートに来てみて。
反発でも嫌いでもなんでもいい。
ちょっとで良い、思い出して。
私はずっとずっと歌い続けるから。
会いに来て。

そんなことを話すようになった。


私には数年前まで男性のお客様はほとんどいなかった。
でも父との関係が変わったら、男性もたくさんコンサートに来てくれるようになった。

今年の夏、私は「20代のお客様が少ないんですよ。その年代にも伝えたいんだけどなあ」
って話していた。

けど、今20代の方もコンサートに来てくれるようになった。



こんなことを言ってくれる20代の友人がいる。

「敦子さんがいるから、病院にはもう行かなくて良いって思ったんです」

精神的な病気で苦しんでた彼女。
私と再会して、カウンセリングにもう病院に行かなくていいと思ったそうだ。
「敦子さんがいる…」

頻繁に会う訳ではないのですが
「敦子さんが歌い続けるって言ってくれたから。
会えなくても、今頃どこかで歌ってるんだろうな。
敦子さんも頑張ってるんだろうなって思うと、だいじょうぶになるんです。」
って言ってくれてた。

私はその話を聞いてまた泣いてしまった。


ツイッターに、こんなことを書いてくれた20代の女性もいる。

「“涙がキレイ”に救われました(o^^o)
それと、染矢さんが“私はずっと歌い続ける”と言われた時、
自分の居場所・帰る場所を見つけたような気がして、
すごく嬉しかったです(*´∀`*)
またお会い出来る日を楽しみにしてますね( ´ ▽ ` )ノ♪」


お仕事を頑張りすぎて、鬱病になってしまった20代の女性には
「また、もし、死にたいとか思ったとしても、
本当に究極に悩んだ時に敦子さんの存在はきっと大きくて、踏み止まれるキッカケになるとおもいます!
だから、ありがとうございます」

そんなメールも頂いた。


私には大したことはできない。
幸せにするとか、元気にするとか、
これをしたら幸せになるとか、彼氏ができるとか、成功するとか言えないし
具体的に役に立つことは何もできないかもしれない。

でも歌うよ。ただ歌うよ。
誠実に生きるよ。
自分を裏切らないと約束する。

そんな私の歌が誰かの何か良いきっかけになれたら良い。
それが少し、見える形でできていることに気づいた年になった。

救えなかったから、また一つ思いは強くなったんだ。