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『青空』

思い出が眩しすぎて
世界がモノクロになっていた

捨てられないものたちを眺めては泣いた

それは四月
始まりの月
よく晴れた午後だった
繰り返される桃色の美に
鮮やかな色が戻る

アルバムは置いて行こう
手紙は燃やしてしまおう
私自身が私の思い出
私は生きてる
それがすべて


旅立ちの日は雨で見送りは誰もいなかった
一度だけ振り返って扉を閉めた

明日は晴れる
目の前に広がる青空を信じてる
慣れる事で失い続けた宝物 拾い上げ

遠くへ行こう 知らない土地へ
一から始める為に
泣いてくれて ありがとう
ここでの出会いのすべてに感謝


犯した罪 償う為と
愛に応える為にできることは
自分自身を大切に生きること

大きな地図を広げよう
背中がチクチク痛み出し
寂しい自由が羽になる
新しい私が生まれる

そして歌い続けよう
天まで届け私の声
私自身が私のこれから
私は生きてる
それがすべて


(青空/染矢敦子 1998)

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1998年、私は大切なものを失った。
生まれて始めて感じた幸福を、自分の心と未来と一緒に粉々に砕いてしまった。

子供の頃から、私は何かを諦め、自分自身の存在に絶望をしていたように思う。

それでも、求めていたもの。
「生きていても良いよ」それを感じられる場所。
私の存在を喜んでくれる場所。
私が私のまま、笑っていられる場所。

知らなければ、苦しまなくて済むこともある。
それを知ってしまったが故、失った絶望はさらに深い。

大きな悲しみ、苦しみが訪れた時
人は感じることを止めることがある。
喜びや楽しささえ…
自分では気付かずに、感情を殺してしまう。
自分を守る為に…


私は、運転をしていた。
桜の花びらが
桃色のたくさんの花びらが、目の前を舞った。
「キレイ…」
一瞬で、見える世界が変わった。
まるで、色を無くした世界から、戻って来たかのようだった。

「私は生きてる」
ただただ、そう思えた。

そして、決めた。
前へ進むことを…
歌うこと、子供の頃からの夢をもう一度追いかけることを…


だから私にとって、桜も恩人なのかもしれない。
あっ、そうか。
あの桜たちが、言っているのかな。

「ここへおいで いつか愛する人を連れて」

(桜/染矢敦子)
 http://tender-wind.livedoor.biz/archives/51812999.html

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14年経った、この4月。
桜の歌を歌いながら
桜の木の下に立って
分かったことがある。


「生きていても良いよ」
私の存在を喜んでくれる人やどうぶつがいる。
私が私のまま、笑っていられる場所がある。

求めていたものがそばにある。


だから、また今日も…

歌い続けよう
天まで届け私の声
私自身が私のこれから
私は生きてる
それがすべて