TENDER WIND

やさしい風が、ふいてきた。

うたびと 染矢敦子 blog
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0518-25



98歳の女性が涙ぐみながら
歌を聴いてくれました。

歌い終わると
手のひらを合わせて
頭を下げて「ありがとう」と言ってくれました。

こんな風に、拝むような「ありがとう」に出会う度

歌は神聖なものでもあると思い出します。

そして歌わせて頂けることが有り難くて
今度は私が涙ぐんでしまうんです。



舞台は嘘がつけない。
だから舞台に立つのは怖い。
だけど生に勝る物はない。

距離があればあるだけ、ごまかす隙間がでてくる
近ければ近いほど、上手さではなく、人柄になってくる

そんなことを役者さんが言っていました。


私もライブは嘘がつけないと思っています。
どうしたって、その人自身が見えてしまう、それがライブ。

犬の写真を撮ることもそうかなって思うんです。


だから歌に、犬たちに
誠実でありたいと思い続けています。


歌うとき、歌を作るとき
まっさらな私で
ただ歌、そのものになる。


自信がなくなる日も
折れそうになる日も
絶望に近い日もやってくるけれど

私より倍以上の時間を
色んな思いをされ
色んなことを乗り越え
ここにいて
私の歌と出会い、拝むように手を合わせてくれた。

「なんもかんも良い」
涙をふきながら笑って言ってくれた。

その女性の言葉を
私は一生、覚えていようと思います。